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・構造規模 : RC造ビル内テナント
・専有面積 : 491.90u
・所在地 : 京都市
・施工 : 高橋工務店
・竣工 : 2018年
・撮影 : 母倉知樹

プロ用からホビー用まで多種に渡るドローンを取り扱い、販売やメンテナンスに留まらず、その技術を活かしたコンサルティングサービス、技術開発を行う企業の本社を計画しました。大きなワンフロアをメインのオフィススペース、ショールームやレクチャールームからなる来客用スペース、倉庫・梱包発送スペースからなるバックヤードの3つのスペースに分け、それらをメインコリドーと呼ばれる共用部がつなぐ構成としています。具体的なデザインに関しては特に以下の3つの点に留意して設計を進めました。
1)場所性の表現
最初に現地を訪れたときに、今はワークスペースとなっているこの場所から見える北側のシダレ桜と北山の山並みがとても印象的でした。また、表の北山通り側を見てみると、目の前にはちょうど街路樹の葉が茂り、その向こうには植物園が望めるという、なかなか得がたい素敵な環境であることが見て取れました。そこで、オフィスの中にも植物を取り入れ、北の山々から大きな桜、オフィスのインテリア、銀杏並木、植物園へとグリーンのレイヤーを繋げていくことで、緑豊かな北山の場所性が感じられる空間づくりを目指しました。
2)各スペースの透明感とルーズなつながり
社内の自由なコミュニケーションの雰囲気やスタッフが部門をまたいで忙しく動きまわるワークスタイルがより活発で積極的なものになるよう、各スペースを壁で仕切らず、透明なレイヤーを重ねながらルーズにつなげています。中央の通路(メインコリドー)にしつらえた木のフレームは、商品のポスター、鉢植え、ちょっとしたリーフレット類から各種免許証や安全祈願の御札に至るまで、様々なものが賑やかに並ぶことで、ワークスペースから各所への視線を遮ることなく、必要に応じてプライバシーの程度をコントロールできる仕掛けにもなっています。
3)浮遊感、躍動感
各部の造作や家具の配置、照明計画に至るまで、既存躯体の秩序に対して斜めのラインを持ち込み、新たに設けた床壁天井の各要素をできるだけ躯体から切り離すディテールとすることで、ドローンの浮遊感や躍動感、さらには新しい企業としてのイメージや、既存の社会に対するクライアントのスタンスといったものを表現しています。それらは単なる視覚的なイメージに留まらず、例えばワークスペースの白いデスクはその軸線の先にある眺めの良い桜の木の方に視線を導き、中央の大きな木のデスク/カウンターの斜めのラインは使い勝手やコミュニケーションの取り方に幅を生み出します。また、躯体と縁の切れた仮設的な設えは将来の解体を容易にし、クライアントの更なる発展と次のステージへの移行を妨げないデザインとなっています。


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